目的趣意

目的

本会は日本が世界に誇る無形文化の一つである古来伝承の伝統的な古武道等を術科、流派を問わず集大成し、単にこれらの技能的、形態的側面のみならず精神的面を重要視、これらを体系的に保存、伝承するための研究、調査、出版及び伝承者の育成を通じた普及発展を図り、もって日本文化の伝承に寄与することを目的とする。
さらに、本会はそれらの普及事業を通じて武道の生涯教育を広く促し、青少年の総合的健全な育成を図り、国際的な古武道発展に大きく寄与すると共に世界平和と国際親善に貢献することを目的とする。

趣意書

大日本武徳会の趣意

文武は車の両輪、鳥の両翼と言いならされて居る。
文武は一徳で各別のものでないというのが、わが国徳育の根本観念であることは、改めて言うまでもない。古くは中江藤樹が『翁問答』に天を経とし地を緯として天下国家をよく治め、五倫の道を正しうするを文という。天命を畏れざる悪虐無道の者ありて、文道を妨ぐる時は、或は刑罰にて懲し、あるいは軍を起し征伐して、天下一統の治をなすを武という。然る故に、戈を止という二字を合せて武の字を作りたり。文道行はんための武道なれば、武道の根は文なり、武道の威を用いて修むる文道なれば、文道の根は武なり。

「その外万事に文武のニは離れざるものなり」と書いて居るは、この根本概念を祖述するものに外ならない。時の隆汚と共に文の衰え武の潰さるることがなかったとはいえないが、文武が互に根となり一徳に帰するに非ざれば、修身、斉家その他一も功を奏するものでない。われわれが新に武徳会の隆昌発展を期する所以の理由は全く茲にある。

わが国、立国の淵源は宏く且つ遠い。謂ゆる近代民主々義の目的とする自由、平和、博愛、正義は皆このうちに包摂せられて居る。而してこの立国の精神を千古に貫くためにも文武並び進むことを必須とするのである。歴史を顧みるに、時勢の文武いづれにか偏にする場合国は必ず破れる。この意味において鬱々たる新日本の文運は武徳によって裏付けされねばならない。

われわれは文武一徳の趣旨に則り、新なる武徳会は、ひとり武道関係者のみの組織とせず、広く各界識者の団体たるべきを提唱する。而して武道の修業者が武技の研磨と共にこの雰囲気のうちにあって人格を陶冶し、国の徳育に貢献せんことを念願するものである。切に大方諸賢の賛同と支持を希う次第である。